天然甘味料であるメープルシロップは、精製ショ糖の代替品として大きな関心を集めています。メープルシロップはポリフェノールやイヌリンなどいくつかの生理活性化合物を含む天然甘味料です。
ここに紹介する研究論文は、高脂肪高ショ糖食を与えられたマウスの総カロリー摂取量の10%をメープルシロップに置き換えて、肝臓への影響を調査しています。
メープルシロップは肝臓の重量には変化を与えませんでしたが、高脂肪高ショ糖食を与えられたマウスに比べ、ショ糖の10%をメープルシロップに置き換えた高脂肪メープルシロップ食を与えられたマウスは、下図に示すように肝臓の中性脂肪が有意に低下しました。
これは炭水化物の消化と吸収に関与する腸管の炭水化物加水分解酵素α-グルコシダーゼ活性の低下によって説明できます。メープルシロップには、リグナン、クマリン、スチルベンなどのポリフェノールが含まれており、樹液を濃縮してメープルシロップをつくる過程でケベコールという新しいポリフェノールができることもわかっています。これらのポリフェノールはα-グルコシダーゼを阻害し、炭水化物の消化吸収を妨げることによって肝臓に脂肪が蓄積することを防ぎます。
紹介文献
Arianne Morissette et al., Am J Physiol Endocrinol Metab 325: E661–E671, 2023