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更新2021.01.27

 

HOME研究発表アロニア果汁中に存在する血糖値及びHbA1c値上昇抑制物質の探索

学会発表

6種の乳酸菌と2種の酵母で生成した複合菌発酵乳が含有する親水性代謝物の調査

周尾卓也、吉田栄輝、滝野 豊、中垣剛典

日本乳酸菌学会 2026年7月24日~7月26日

要約

 精密質量の測定データに基づいて、比較対象となる質量ピークは4,168個が検出された。複合発酵乳について、牛乳に対して10倍以上のピークの高さがある105個、牛乳とヨーグルトに対しては双方で5個が選別された。これらの差異あるピークのスペクトルから、少なくともシトルリン、オルニチン、シチジンの存在が推定できた。一方、標品でクロマトグラフィー保持時間を特定している、代表的な一次代謝産物99化合物の測定データに基づいて、主成分分析を実行すると、複合発酵乳を特徴づける上位3つの主成分としてグルタミン酸、アセチルコリン、および上述のシトルリンが選出された。

 
目的
 発酵乳には原料となる牛乳由来の成分とともに、醗酵に用いる微生物の作用で新たに生じた代謝物が含まれる。したがって、複数種類の微生物を醗酵(以下、複合菌醗酵)では、単一菌の場合に比べて、多様な成分の存在が予想される。本研究では、様々な化合物を同定し、定量できる液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて、発酵乳と牛乳が含有する親水性の代謝物を一覧とし、比較することで、複合菌発酵乳に特徴的な成分を描出することを試みた。
実験方法
 複合菌発酵乳は6種類の乳酸菌と2種類の酵母を含む既製品粉末を使用して自家醗酵で調整した。単一菌発酵を想定したヨーグルト、牛乳は市販品で入手した。試料50μLを水/メタノール/クロロホルム混合液900μLで除タンンパクした親水性画分を、Pentafluoro-phenylpropyl基への親和性による高速液体クロマトグラフで分離し、四重極飛行時間型質量分析計で測定することで、精密質量と強度を取得した。質量スペクトルによる化合物の推定はMS-DIAL1)のESI-MS/MS authentic standardsを、主成分分析はMetabo Analyst12) を利用した。
結果と考察
 精密質量の測定データに基づいて、比較対象となる質量ピークは4,168個が検出された。複合菌発酵について、牛乳に対して10倍以上のピーク高さ比(p<0.01)がある105個、牛乳とヨーグルトの双方では5個が選別された。これら差異あるピークのスペクトル情報から、少なくともシトルリン、オルニチン、シチジンの存在が推定できた。一方、標品でクロマトグラフィー保持時間を特定している、代表的な一次代謝産物99化合物の測定データーに基づいて、主成分分析を実行すると、複合菌発酵乳を特徴づける上位3つの主成分として、グルタミン酸、アセチルコリン、及び上述のシトルリンが選出された。興味深いことに、これら成分は5日間の冷蔵過程において、含有量の変化が三様で、グルタミン酸は減少、アセチルコリンは増加、シトルリンは一定であることが明らかになった。今後に試料調整とクロマトグラフィーを親油性脂質に適用することで、より包括的に発酵乳を評価するプラットフォームを構築できると考えている。
 
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参考文献
1)Tsugawa H, et al.(2020) A lipidome atlas in ms-DIAL 4. Nat Biotechnol 38: 1159-1163.
2)Pang Z, et al.(2024) Metabo Analyst 6.0: towards a unified platform for metabolomics data processing, analysis and interpretation, Nucleic Acids Res 52: W389-W406.
 
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